第98回懇話会のお知らせ(終了しました)

2019年11月24日(日)Fプレイス(藤沢労働会館)14:00~18:00
ゾウ化石の発見だけじゃなかった、『地質学者ナウマン伝』(朝日選書)を刊行して
講師:矢島 道子さん(地学史、大学非常勤講師)

講演概要

 ナウマンという名前をきいて、何を思い浮かべられるだろうか。ナウマンゾウくらいだろうか。最近、少し有名になったフォッサマグナや森鴎外論争を思い浮かべられたら、相当の通であろう。

 私は東京大学理学部地質学教室を卒業した。ナウマン(Edmund Naumann 1854-1927)は初代教授のはずだったが、教室には写真も銅像もなかった。あったのは日本人教授ばかり。変だなあと思った。そのうちに、ナウマンの授業の聴講ノートを図書室でみつけた。ナウマンについて調べたいと思った。1994年頃のことだった。

 その後、いろいろあり、2010年頃、朝日新聞出版の山田豊さんからナウマンの伝記を書いたらどうかと声をかけていただいた。それから、いろいろ調べ始めたが、牛歩が続いた。ナウマンへの悪口が多く、ついついナウマンを応援すると、今度は相手を悪く言わなければならない。また、なかなか新しい資料が出てこず、どうしても手垢にまみれた資料を使うことになる。

 幸いにも思わぬところから新しい資料が転がり込んだりして、なんとかナウマンの伝記を編むことができた。そして、私はナウマンの地質学的業績は、やっぱり素晴らしいと思う。まだまだ問題の残る所もあるが、ナウマンの伝記が日本の地質学研究の一助になれば、幸いだ。

講師プロフィール

矢島 道子(やじま みちこ)
 1950年生まれ。1981年 東京大学大学院理学系研究科修了。理学博士(古生物学)。東京成徳大学中・高等学校教諭などを経て、現在、首都大学東京などで非常勤講師(科学史)。主な著書に『地球からの手紙』(国際書院)、『化石の記憶―古生物学の歴史をさかのぼる』(東京大学出版会)、共著に『はじめての地学・天文学史』(ベレ出版)、『メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋』(朝日選書)など。お雇い外国人科学者「フランツ・ヒルゲンドルフ」展(1997~1998年)を企画したり、日本地質学会125周年記念事業(2018年)を実行したり科学史関連の仕事も多い。

日時/会場

日時:2019年11月24日(日)14:00~18:00
会場Fプレイス(藤沢労働会館)(藤沢市本町1丁目12番17号、JR/小田急江の線「藤沢駅」徒歩15分、小田急江の島線「藤沢本町駅」徒歩7分。電話0466-26-7811)
参加費:1,000円
連絡先:猪野修治(湘南科学史懇話会代表)
〒242-0023 大和市渋谷3-4-1 TEL/FAX: 046-269-8210 email: shujiino@js6.so-net.ne.jp
湘南科学史懇話会 http://shonan-kk.net/

資料

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