第108回懇話会のお知らせ 2025年5月3日(土)14:00~17:00 茅ヶ崎市勤労市民会館(終了しました)

編集者竹中英俊の闘い―日本政治学出版の舞台裏
講師:竹中 英俊さん(編集者:大学出版・学術出版)

講演概要

 わたし竹中英俊は、半世紀前の1974年に東京大学出版会に職を得て、2012年に退職して顧問につき、2015年に退任、2017年に北海道大学出版会の相談役につき、今日まで大学出版・学術出版に関わって参りました。本年12月をもって北大出版会の同役を退任することになり、1974年以来の半世紀にわたる大学出版・学術出版活動に終止符を打ちます。

 そして、このたび、私の出版編集の歩みの一端についての記録を『日本政治学出版の舞台裏―編集者竹中英俊の闘い』として公刊しました。これは北海道大学の岩下明裕先生によるインタビューを受ける形の対談を主に基にしたものであります。内容は、1980年代及び90年代の私の政治学・国際政治学の出版編集経験を語るものとなっております。

 懇話会においては、本書の内容の紹介はしますが、それは最小限として、むしろ、第一に、本書において提起された課題を抽出して、改めて皆様との議論の素材として提出したいと考えています。そして、第二に、本書の出版をめぐる厳しい困難な状況を踏まえて、今日の出版世界の抱える課題を提示して、皆様とともに今後の出版の可能性について探ってみたいと思っております。さらに、第三に、半世紀にわたる私自身の大学出版・学術出版を振り返ることにより、私の経験が今後の試金石としていかなる意味を持ち得るのかという自問自答を示すことによって、皆様とありうる未来を共有するよすがにしたいと考えております。(講師)

講師プロフィール

竹中英俊(たけなか・ひでとし)
 1952 年宮城県大崎市生まれ。1975年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1974年に財団法人東京大学出版会に就職。委託製作部門を経て、1980年に編集局編集部に異動、1992年に編集部長、1998年に編集局次長、2000年に編集局長、2005年に常務理事・編集局長、2012年3月退任、同会常任顧問(2015年3月まで)。2015 年4月より竹中編集企画室を主宰(今日まで)、2017年5月より北海道大学出版会相談役(今日まで)。この間、「横断媒介」をキー概念として、人と人とを結ぶ出版の基点に立った編集企画を目指した。「無名者」として「信・人→緝・網→書・幸」を願いつつ、活動を続けたいと思っている。

【『日本政治学出版の舞台裏―編集者竹中英俊の闘い』のオビの宣伝文】京極純一、升味準之輔、佐々木毅、猪口孝 氏ら名だたる政治学者の編集担当であり、時代を画するシリーズ『現代政治学叢書』『講座国際政治』を世に送り出した稀代の編集者。 東京大学出版会を基盤に、「知」と「人」と「社会」を結び続けたその編集思想、そして1980年代以降の日本政治学・出版界の苦闘のドラマが語られる。

日時/会場

日時:2025年5月3日(土)14:00~17:00
会場茅ヶ崎市勤労市民会館(〒253-0044 茅ヶ崎市新栄町13-32 TEL 0467-88-133)
参加費:1,000円
連絡先:猪野修治(湘南科学史懇話会代表)
〒242-0023 大和市渋谷3-4-1 TEL/FAX: 046-269-8210
email: shujiino@sd5.so-net.ne.jp
湘南科学史懇話会 http://shonan-kk.net/